本物のヘナを求める旅へ出たきっかけ

ヘナ

日本国内にはたくさんのヘナ製品が流通しています。 しかしその多くが、「どこで」「誰が」作っているのかが見当もつかないような状況にあることはご存じでしょうか? 私がサロンでヘナの導入を検討していたときに、あるヘナメーカーにどこで誰が作っているのかを問合せたところ、 「それはユーザーには関係ない」と一蹴されました。そして過去を少し遡れば、 色味の弱いヘナに薬品を混入させているという問題も起きていました。 生産工程がブラックボックスの製品を、美容室で大切なクライアントに使うことはできません。 ヘナの導入のためには、ヘナの生産現場を知る必要があると強く感じるようになりました。 そこで私は、インドまで直接足を運び、「本物のヘナ」を求める旅へと向かうことになったのです

インドの旅に向けてリサーチ

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まず手始めに、インドの産地ソジャットにあるヘナの製造会社を調べ、 「あなたの工場を見学させてもらえませんか」と、50社ほどにメールで問い合わせてみました。 返信がきたのは2社。早速その2社に電話をしてみたところ、1社は電話をしても電話口に出ません。 もう1社に電話をしたところ、そちらは電話に出てくれました。 ようやくインドでヘナを生産する人間とコンタクトがとれた瞬間でした。 電話に出てくれた男性と、電話でインドのヘナ生産事情を事細かにヒアリングさせてもらうことができ、 工場の見学もOKをもらうことができました。

インドに到着

インドのニューデリー空港に到着した私は、とにかく人の多さに圧倒されました。 一種独特の空気感に、しばらく思考が停止してしまったほどです。 気を取り直して、日本から手配していたチャータータクシーのドライバーを探しますが、見当たりません。 いまではインドでの日常的なトラブルだとわかっていますが、そのときの私には、手荒い歓迎にしか思えませんでした。 なんとかホテルにたどり着き、汗を流す為にシャワーを浴びようにも、水しか出ません。その日はお湯を使うことを諦め、 明日からの移動に備えとにかく寝ることを優先し、眠りにつきした。

ヘナの産地ソジャットまでの道のり

ニューデリーからソジャットまでは 国内線の飛行機を利用し90分程度のフライトです。 その後はひたすらドライブ。

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今は1時間半ほどで到着する道のりですが、当時はドライバーもソジャットまでの道が曖昧で、 軽く3時間はかかっていました。車道には、通行を邪魔するヤギ・ラクダ・ウシなどがバンバン現れ、 ちょっとしたサファリパーク状態です。整備されていない道の激しい揺れに、首が持っていかれそうになりながら、 ようやく目的地ソジャットに到着しました。

ソジャットで遭遇したヘナ生産の真実

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ソジャットに到着しコンタクトをとった製造会社の彼と合流。決まってこのパターンは食事のもてなしを受け、 何もいわないと死ぬほど食べることになるので、NOはハッキリと主張すべきだと知りました。

工場は、彼の自宅からすぐの場所にありました。 工場の入り口にはウシが待機し、工場内では犬が走り回り 天井には鳩が巣を作り飛び交う、ワイルドな化粧品工場です。

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そして人間はその中を、ヘナの粉にまみれ忙しく働いています。 この国では動物か人間かという区別はありません。そんな環境なので よぼど気をつけないと、 さまざまな不純物や動物の汚物がヘナに混じってしまいます。ヘナの葉を見せてほしいと頼むと 製粉用の機械に投入される直前の山積みのヘナの葉を見せてくれました。

なにか、おかしい。底辺ヘナの葉と上辺のヘナの葉の色が、明らかに違います。 そして、ヘナの隣の山には、不思議な繊維質の物体がありました。彼らは、 ヘナの葉を機械に葉を投入する際に その繊維質の物体や、色の違う葉を 上手にミックスしながら投入していきます。 工場を実際に見学したことで、製造プロセスが公開されていないヘナ製品には、 純粋なヘナの葉以外に、訳のわからない葉、おかしな繊維質、そして牛や鳩などの動物の汚物など、 いろいろな混入物が入っている可能があるということを知りました。ここで私は、製造プロセスが公開されていないヘナ製品は、 クライアントに使える代物ではないのだということを確信しました。

未知の世界ヘナマーケットにて

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工場を後にし、次に向かったのはヘナマーケットです。 インドのヘナマーケットは日本の農協のようなシステムで、 ヘナを誰がいくらで売ったのかを管理し、そこで課税される仕組みになっています。 また、契約農家などと直接契約などを行うという話を聞いていましたが、 仮にその農場での生産状況が悪かった場合には製品自体のクオリティが損なわれる為、 そういった手法を行わず現地の長年の勘を持つバイヤーを介する方法が最善だと思いました。

また、通常の使用目的にはとても使えなそうな、枯れ果て朽ちたヘナの葉も売られています。 聞くところによると、これらは化学薬品を配合して、インド国内で販売しているとのこと。 そしてときおり、日本向けのケミカルヘナ(=化学薬品を配合したヘナ)の材料にもなっているそうです。

ヘナ農家を訪ねて知ったこと

ソジャット見学の最後の目的地はヘナ畑。とても広い敷地に、ヘナがこれでもかと生い茂っています。 「農薬を使用しているのか?」と聞いてみたところ、ファーマーは「農薬は高いからイカン!」と答えてくれました。 次に「肥料は使うのか?」 と聞いてみたところ、こちらの答えも「高いからイカン!」とのこと。 要するに、農薬の知識も、肥料の知識もなく、あるがままに育ったヘナは、どれも「有機栽培」なのです。

ヘナ生産暗黒の工場地帯ファリダバードを訪ねて

ソジャットでのヘナ視察を終え、一路ニューデリーへと向かいます。 そこからさらに1時間ほど車で走ると、ファリダバードという工場地帯があります。 この一帯は、ヘナの工場が無数に存在するエリアです。昔はこのあたりでヘナ栽培も行われていたそうですが、 近代の工業発展の波に飲まれ、産地はすべてソジャットに移ったとのこと。 ファリダバードには、日本の大手ヘナメーカーが取引する工場があり、その工場を視察するために訪れました。 案内された工場は、化学薬品のタンクが山積みになっており、見るからにケミカルヘナの工場です。帰国して知ったことですが、 この工場でできた製品は、日本国内で大量に流通している製品でした。 この日は食事でもてなしを受けていたら工場の稼働が終わってしまい、実際に稼働している状態を見せてもらうことはできませんでした。

ヘナ生産現場KEO社を訪ねて

そして最終日は、日本に対する理解が深いと聞いていたアルシアエンタープライズKEO社へ。 社長はかなりの親日だということで、日本語で挨拶を交わしました。 そしてお決まりの食事タイムと思いきや、工場へダイレクトに向かうことになり驚きましたが、 ついた工場には更なるサプライズが待っていました。工場の管理が、非常に行き届いていたのです。

ヘナ生産現場KEO社を訪ねて

アルシアエンタープライズの生産工程の特徴は、人間の手による仕事が重視されている点でした。 多くの工場ではヘナの葉のクリーニングを機械で行います。 しかし彼らは地道に手で、細かいゴミまでも取り除いていました。 充填作業も全て目視と手作業で進めており、これにより異物混入を発見しやすくなるということでした。

衛生環境も高いレベルで管理されており、従業員は作業服とマスクを着用しています。 換気設備も万全で、工場内にヘナの粉が舞い上がらないように整備されていました。

求めていた本物のヘナとの出会い

ようやく納得が出来る製品作りの環境が見つかった瞬間でした。 工場長も親日家なので、理解も早く、どうして私がここまで深く製品作りにこだわるのか、日本人は何を求めているのか・・・ そんな私の思いを工場長に伝えることができました。 こうして、私は、本物のヘナと出会うことができました。そして工場長とは家族ぐるみの付き合いになり、 本物のヘナを日本に届けるためのパートナーであり、いまでは、インドのあちこちを一緒に旅する仲間でもあります。

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