ヘナの染色効果

ヘナには染色効果があります。しかし、ヘアカラー剤の染色効果と比べることは、あまり意味がありません。 なぜならば、ヘアカラー剤は染色を目的に作られた合成物である一方、ヘナはそんな目的とは関係なく、 ただ存在している植物であり、それを人間が利用しようとしているに過ぎないからです。 全く異なった性質のものなので、「比較」するのではなく、それぞれの特性を理解したうえで「選択」をするというのが、 ヘナを染髪目的で使う場合の、合理的な向き合い方だと考えています。 髪への染色効果は、ヘアカラー剤の方が優れている場合が多いですが、一定の条件を満たすことで、 ヘアカラー剤よりもヘナの方が、色素の定着が強固になる場合もあります。 そういったヘナの特性を最大限に引き出すために、ヘナに熟知したプロの手を借りることは有効です。 また最近は、白髪染めを目的としたヘナ利用が増えています。 白髪をヘナで染めると、白髪は目立たたなくなります。 また、その方の白髪の状況にあわせて、その方特有の髪色のグラデーションが表れますので、 白髪と白髪ではない髪が完全に同一化することを求めるような場合、ヘナはあまり向いておりません。 私どものサロンにいらっしゃるお客さまの多くは、白髪が「目立たなくなる」ことを目的とされている方で、 ヘナで白髪を目立ちにくくしつつ、自然に色づくヘアスタイルを楽しんでいらっしゃるようです。

ヘナのトリートメント効果

実は、ヘナを髪の染色目的だけで使用することは、ヘナの恵みを半分も享受できていないということをご存じでしょうか。 ヘナには、大きく2つの特筆されるべき有効成分があります。その一つがタンニンです。 タンニンはさまざまな植物が、防御機能として持つ成分で、渋みのある植物に多く含まれています。 このタンニンは、毛髪の損傷部分に入り込み結合する性質を持っています。 強固に結合するため、損傷の激しい髪にはゴワつきやキシみを感じることもありますが、髪の損傷部分をカバーしてくれるため、 髪の質感などを考慮しながら適切に使えば、トリートメント効果が得られます。 極端にダメージの多い髪の場合は、先にも述べたように、ゴワつきが増すため、プロでも注意が必要です。 二つ目が、ナフトキノンというオレンジ色の色素を有した成分です。 この色素のユニークなところは、単なる色素成分ではなく、防腐や殺菌の特性を持つところにあります。 この成分が髪を染めることは副産物であり、その薬効にこそ注目すべきだと、私は考えています。 ヘナを頭皮に塗布することで、体内に取り込まれるわけですが、それによってさまざまな不調が改善したという話も聞きます。 ヘナの薬効については、科学的裏付けがまだあまり成されていない領域ですが、 ヘナ自体は、さまざまな国で伝統療法的に利用されている歴史があります。

歴史に見るヘナの存在

ヘナの由来にはいくつかの説があるのですが、私が調べた中で有力なものは、北アフリカおよび中東起源説です。 インドでのヘナ利用が注目されていますが、ヘナの本来の利用目的であるメヘンディ(=ヘナを使ったボディーペイント)は、 実はイスラムの文化なのです また、髪を染める目的としての利用の痕跡は、北アフリカに由来し、 商業的な利用も北アフリカに見ることができます。 ではなぜ、「ヘナはインド」というイメージが強いのでしょうか。 インドには、古来から伝わるアーユルヴェーダという療法があります。 この療法の中にシロレーパという、ハーブを使った頭皮に対する湿布を施す療法があります。 本来、この頭皮湿布にヘナは利用されていないのですが、頭皮からハーブの成分を取り込むという考えは、 ヘナの利用方法としても違和感のないものです。 髪が染まったり、毛髪が強化されるというメリットは、元はヘナによる頭皮湿布の副産物だったものが、 インドでこの部分に着目する人が現われ、新たな施術として広く民間に行き渡ったのではないかと、私は考えています。 そしてインドのヘナ施術に、さまざまなハーブや紅茶やヨーグルトが利用されるのは、染める効果を高める目的ではなく、 療法としての活用を重視しているからではないかと、私は感じています。

 

ヘナを使うということは

現代の日本におけるヘナは、白髪染めの代用というのが、主な役割です。 しかし、ヘナ本来の役割に立ち返ると、古来、伝統療法として扱われていました。 ヘナの販売をする上で、浄化・解毒などのキーワードが目立つのには、こういった理由があるからです。 薬機法(=旧薬事法)上、ヘナの効用というものはうたえませんが、 お客さまからは「ヘナをすると何故眠くなるのですか?」といったご質問や、 「ヘナをすると肌が綺麗になっていくように感じるのですが」「ヘナをするとリラックスします」といったお声をいただきます。 こういったお客様の「体感」の中に、ヘナの魅力が詰まっているように思います。 ヘナの実感は、人それぞれオリジナルの体験であり、誰かがそれを押し付けるものではなく、 本人がどのようにそれを受け取るのかがキーとなります。 それは「白髪染めとしてどれぐらい染まるのか?」といった効果についても、共通して言えることです。

自然の産物を私たちがどのように受け取るのか? 利便性が求められる世の中ではありますが、それだけを重視して得られるものは、なんだか薄っぺらく感じてしまうのは、私だけでしょうか。 古来から愛用されてきたヘナは、便利さを超えた魅力があり、だからこそ現代にも受け継がれてきたのではないかと、私は思っています。 ヘナを使うということを掘り下げていくと、その先には、さまざまな生命の成り立ちや、私たちの在り方にまで、つながっていくのです。

 
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